当院で行っている指圧で名前もありません。
不便ですので仮に名付けたものです。
恐らく当院と他数名しか行っていません。
とある事情で拝見する機会があり、使う事を許可された指圧術です。

院長はかつて、とある指圧術を好んで用いていました。
戦前に東洋医学の革命児といわれた平田内蔵吉先生を元とする指圧です。
自分も好きで資料を集めて研究していましたし、伝授している団体に入って教伝を受けました。
しかしこの指圧。
非常に効果的なんですが痛くて痛くて。
痛みが笑い話になるので、好きな患者さんも居るには居るが、あまり好まれませんでした。

その後、とある事情から伝授して頂いた団体から離れることになりました。
離れるのはいいのですが、そのことで頭を抱えて困ることになります。
「さあ、離れるところの技を名乗っちゃあ義理が立たないなァ。一体どうしたもんか。」
実はこの痛い指圧を看板技の一つにするつもりで国家資格を取ったのです。
心情的に大変に困りました。

そんな困り果てている中。
とある人が「家でやっていた」という技をみせてくれました。
本人は按摩だと言っていましたが、形式としては指圧です。
見たことのある指圧に似てはいましたが・・・・・。
とにかく静かで優しくてケレン味がなく。
どこか究極感がありました。

自らも受けてみてビックリ。
シンプル極まりないのですが心地よく全身が緩み、うつらうつらとします。
いくつかコツを教えて貰い、許可をとりました。
かつてとは真逆とも言えるこのやり方。
これでやってみようという事になりました。

練習がてら仲間内で試して、この指圧のシンプル故の難しさと心地よさに驚いたもんです。
あまりにもシンプル過ぎるので型にして少しだけ発展させました。

教えてくれた人は、もう居なくなってしまいました。
今をもってあのクオリティでの指圧には、なかなか届きません。
「武家の爺さんが後継ぎの孫に慈しみをもってする様に。」
そういう地味で慈味で優しい指圧です。

鍼灸指圧按摩指圧・オステオパシー・武術療法など取り扱い。
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